准教授・博士(理学)
居室:矢上キャンパス 22棟 210B
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研究概要
ほとんど全ての物質は電子と原子核からできていて、原理的にはこれらを量子力学に則って取り扱えば、全ての物質の物理的な性質は予測できるはずです。このような観点から、電子(時には原子核も)を量子力学的に扱い、実験的に求めたパラメタを用いずに、ほとんど理論計算のみから物質の性質を導きだそうというのが第一原理計算分野でおこなわれているテーマです。用いられるパラメタとしては、原子番号と原子質量ぐらいでしょうか。このようなアプローチはいくつかありますが、その中で密度汎関数法を基礎にした方法を主に取り扱っています。これは、固体物理におけるいわゆるバンド理論の基礎と密接に関係しているもので、物性物理分野では基盤的な役割を果たしています。
本研究室では、このような密度汎関数法にかかわる計算コードを学外の共同研究者も含めたグループ内で自作しているため、新手法開発、既存手法の実装を含めて最先端の計算手法を基礎から研究できます。対象としている物理系は、半導体を基礎としたものが多いですが、第一原理計算手法自体は、対象をあまり選びませんので、今後広い分野を視野に研究を進めていきたいと考えています。
※ ここでは、原子、分子、等を含めた原子核と電子からなるものという広い意味で物質という言葉を使っています。
研究を希望する学生諸君へ
研究概要からわかるように、第一原理計算とは物質の電子状態を計算機を駆使して数値的に解くことにより様々な物質の性質を明らかにしようとする研究分野です。基本となるのは、他の研究分野と同じように、力学、電磁気学、量子力学、統計力学です。これら物理学の基礎を身につけてください。また、様々な具体的な物質を取り扱いますので、固体物理学(講義科目では物性物理学第1,2,3)を学習しておくと大学院での研究がスムーズにいきます。計算機を駆使しますので、プログラミング、OS(UNIX)、計算機の知識はあった方が良いですが、大学院に入ってから努力すれば自然と身に付きますので、必須ではありません。