研究装置

白浜研究室の研究設備は、大別して極低温を作るための冷凍装置と量子液体固体・低次元電子系を研究するための測定装置があります。

■ クライオスタット(冷凍装置)  

1.希釈冷凍機

量子現象の研究には絶対温度0.1K以下(マイナス273度)の極低温環境が必要となります。 このような低温を得る基本的装置が希釈冷凍機です。白浜研では2005年までに希釈冷凍機を3台 (自作機1台、フランスCryoConcept (旧Sorime)製1台、イギリスOxford Instruments製1台)を設置し、更に導入する予定です。

 

2.ヘリウムクライオスタット

希釈冷凍機の他に、1Kまでの実験が可能なヘリウムクライオスタットを数台使用しています。 これらのクライオスタットを用いて、固体物質の輸送現象、多孔体中水素の物性、 2次元電子系の輸送現象の研究を行っています。

 

3.準安定ヘリウム生成用クライオスタット

佐々田研究室と共同でム容器中で高周波放電により準安定ヘリウム原子を生成し、 横方向に取り出して磁気光学トラップに導入するというユニークな方法を試みています。

 
■ 測定用装置  

1.ねじれ振り子(Torsional Oscillator)

ヘリウムの超流動特性を測定する装置です。原理はとても簡単で、 ヘリウムが入る試料容器を硬い金属棒で吊してねじれ振り子を構成します。 ヘリウムが超流動状態になると慣性モーメントが見かけ上減少し、振り子の共振周波数が上昇します。 ねじれ棒にベリリウム銅合金などの硬い金属を使うことで8桁以上の周波数安定度が得られ、 超流動密度などの特性を高い精度で測定できます。

 

2.ヘリウム圧力測定装置

液体・固体ヘリウムの定積圧力を、容器に取り付けた電極の変位から高精度で測定する装置です。 圧力の測定から、ヘリウムの固体・液体間の相転移(融解・凝固)に関する重要な情報が得られます。

 

3.交流比熱測定装置

比熱は物質の状態や運動の自由度を探る上で、最も重要な物理量です。 現在私たちは、ナノ多孔体中ヘリウムでの量子状態の解明に向けて、 圧力と比熱を同時に測定できる装置を開発しています。

 

4.ヘリウム表面電子伝導度測定装置

液体ヘリウム表面上の電子には直接電極を取り付けることができないので、 一見電気抵抗など測れないように思われますが、ヘリウム液面の下に置いた金属電極に交流電界をかけることで、 そのときの応答から抵抗を測定することができます。この測定により、電子の結晶化や非線型伝導などの面白い物理現象を観測することが できます。

 

5.極低温走査プローブ顕微鏡

走査プローブ顕微鏡(SPM)は、物質表面の原子像や、関連した様々な物理量を測定できる装置です。 SPMが極低温で動作すれば、様々な応用への夢が広がります。私たちは希釈冷凍機温度で動作可能なSPMの開発を進めており、 あと少しで完成するところに来ています。

 
 

HOME