研究内容

≪研究キーワード≫
磁性物理学、スピントロニクス、スピンダイナミクス、ナノスケール磁性

≪研究紹介≫
能崎研究室では、物質中の素粒子である電子が内部自由度として持つスピン角運動量に着目し、その非平衡・非線形ダイナミクスに関する研究を行っています。約100年前、アインシュタインらは、物質に加えた力学的な回転運動(マクロな角運動量)と磁性に相関があることを発見し、物質中のミクロな角運動量である“電子スピン”が磁性の起源であることを突き止めました。電子スピンは、電子の運動やフォノン(格子運動)と強く結合するため、磁場だけでなく、電場や熱、光(電磁波)によって状態が変化します。スピントロニクスとは、スピン角運動量の回転や反転によって機能動作する磁気デバイス(磁気センサーやハードディスク装置、次世代の万能メモリとして期待されるMagnetic-RAM)について基礎・応用の両面から研究する新しい分野です。能崎研究室では、数十ナノメートルスケールで微細加工できる電子線描画装置と、結晶構造を制御しながらオングストロームオーダーで膜厚を制御できるエピタキシャル成膜装置を用いてナノ磁性体を作製し、そのスピン伝導特性や非線形スピンダイナミクスについて実験的に調べています。さらに基礎物理の観点から、スピン緩和距離や交換結合長などのスピン特性長以下に微細加工したナノ強磁性体に出現する様々な量子効果の発現機構についても研究を進めています。

≪研究テーマ≫
(1)ナノスケール磁性体の非線形スピンダイナミクスに関する研究
(2)電荷レススピン流(純スピン流)による磁化制御とその微視的機構の解明
(3)音波を用いた純スピン流の生成とその微視的機構の解明
(4)高強度マイクロ波を用いた次世代磁気記録に関する研究
(5)磁気渦ダイナミクスを利用したスピントルクの高感度検出

≪学生へのメッセージ≫
“スピントロニクス”は、物質の磁気と電気伝導の相互作用である巨大磁気抵抗効果が1980年代後半に発見されて以降、急激に発展した若い研究分野です。国内外で大きな国家プロジェクトが多く進行しており、若手研究者が活躍できる環境が整っています。能崎研究室では、このようなチャレンジングかつアクティブな研究分野に挑戦し、世界をリードする研究者になりたいという野心溢れる学生を待っています。

≪研究室紹介ビデオ≫

能崎研究室卒業生の進路

≪企業≫
リコー、ブリヂストン、ソニー、日立製作所、TDK、国際航業、東芝電子管デバイス、NHK

≪大学・研究機関≫
Helmholz-Zentrum Dresden-Rossendorf(独・博士研究員)、理化学研究所(博士研究員)、大阪大学(助教)、日本大学(博士研究員)

≪その他≫
独立行政法人製品評価技術基盤機構

研究設備

  • 垂直磁場マイクロ波プローバ装置(67 GHz, 2 T)面内・垂直磁場切替型マイクロ波プローバ装置面内磁場マイクロ波プローバ装置
    垂直磁場マイクロ波プローバ装置(67 GHz, 2 T)面内・垂直磁場切替型マイクロ波プローバ装置面内磁場マイクロ波プローバ装置
  • 5元マグネトロンスパッタ装置マイクロBLS装置低温プローバ装置
    5元マグネトロンスパッタ装置マイクロBLS装置低温プローバ装置
  • 走査型プローブ顕微鏡試料共振型磁力計レーザー直接描画装置
    走査型プローブ顕微鏡試料共振型磁力計レーザー直接描画装置
  • 超高真空分子線蒸着器直流/交流マグネトロンスパッタ電子線描画装置
    超高真空分子線蒸着器直流/交流マグネトロンスパッタ電子線描画装置
  • Ar+ミリング装置高周波応答測定システム走査型ホールプローブ顕微鏡
    Ar+ミリング装置高周波応答測定システム走査型ホールプローブ顕微鏡

研究室の様子(アルバム)

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