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次世代ハイパーカミオカンデ実現へ

ハイパーカミオカンデは、スーパーカミオカンデでは到達できない高感度でのニュートリノ・陽子崩壊探索研究を目指します。

T2K実験では2011年に、J-PARC加速器からのニュートリノを検出することで、3つあるニュートリノ振動で見つかっていなかったモードを捉えました。これにより、3つのニュートリノ振動が発見されることとなり、ニュートリノの性質を詳しく調べていくことが可能となりました。例えば、ニュートリノのCP(電荷・空間)対称性が破れているかどうかはまだ発見されておらず、J-PARCのビームを増強し、ハイパーカミオカンデを実現することで発見が望まれます。CP対称性の破れは、宇宙が創生して反物質ではなく物質により星々が発展してきた謎を解明するヒントにもなりえると言われています。

カミオカンデから探索を続けていた陽子崩壊は、いまだにスーパーカミオカンデでも兆候が見られていません。陽子は非常に安定で、10の34乗年以上の長寿命で壊れないことが分かっています。これまで知られる素粒子の標準理論を越えて、より統括的に素粒子を記述できる大統一理論の候補が多数提唱されており、これら有力なモデルでは、陽子崩壊がハイパーカミオカンデで観測される可能性を示唆しています。大統一理論の存在が陽子崩壊で示されると、素粒子の根源と宇宙の将来に新たな理論が関係することが分かる大発見となります。

ハイパーカミオカンデ検出器の建設は2020年に始まり、2027年の観測開始を目指しています。スーパーカミオカンデの約10倍の大きさで26万トンの超純水を使い、性能を倍に向上した新しい超高性能光センサー4万本で、これまでにない超高感度で研究が可能となります。新しい技術と検出器で、将来のニュートリノ研究を担う新プロジェクトを進めていきます。

 

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