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スーパーカミオカンデからスーパーカミオカンデGdへ

スーパーカミオカンデは、1996年から観測を始めた巨大検出器で、岐阜県飛騨市神岡鉱山内の山頂下1000mで常時観測を行っています。

直径39.3m・高さ41.4mの円筒形タンクに貯められた5万トンの超純水中から、検出器壁に並べられた約1万3千本の世界最大(直径50 cm)光電子増倍管がリング状に光った事象を探すことで、宇宙からのニュートリノ・加速器からのニュートリノを捉え、また未発見の陽子崩壊の探索を行っています。

2018年に大改修を行い、硫酸ガドリニウムを超純水に溶かして、ニュートリノの反粒子を識別できるよう準備を行いました。半年間の内部工事を終えて、2019年から再び観測を開始しました。これから徐々にガドリニウムを加えていくことで、スーパーカミオカンデGdとして新たな観測が始まります。

最近では、重力波など、様々な宇宙からの信号を使って、多角的に宇宙を調べる研究が行われています。スーパーカミオカンデ実験では、宇宙からくる「ニュートリノ」を見ることで遠く離れた宇宙だけではなく、宇宙が誕生してどのように発展してきたかを探っていくことができます。

超新星爆発からのニュートリノは、1987年にカミオカンデで初めて観測されました。スーパーカミオカンデでは次に観測域内で起こる大きな超新星爆発を待ち続けていると同時に、ガドリニウムを加えることで、宇宙が誕生してからこれまで起こった超新星爆発から生まれた超新星背景ニュートリノの発見を目指しています。宇宙全体では数秒に1回超新星爆発が起こっており、これまで超新星爆発から放出されたニュートリノを見ることで、超新星爆発の仕組みと、宇宙の歴史を紐解いていきます。

スーパーカミオカンデ実験では、日本、アメリカ、韓国、中国、ポーランド、スペイン、カナダ、イギリス、イタリア、フランスの大学・研究機関からなる百数十名のコラボレーションとして研究が進められています。

 

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