FACULTY教職員紹介

eto
名前 江藤 幹雄(エトウ ミキオ)
居室 22 棟 208A 号室
E-mail
専門分野 理論物理学
研究室 理論研究室

半導体微細加工によって作製されるナノスケールの系は、原子・分子のミクロな世界と、我々が日常生活をしているマクロな世界の中間という意味で「メゾスコピック系」と呼ばれています。メゾスコピック領域は、電子の粒子性、波動性、相関効果による新しい物理現象が次々と見つかっている、物性物理学のフロンティアです。私の研究は、そのような新現象の理論的解明です。
私が特に力を入れているのは、小さなゼロ次元系「量子ドット」の研究です。電子を量子ドットという箱に閉じ込めると、エネルギーは離散的な値をとります。それは原子の1s, 2s, 2p,.. というエネルギー準位と類似することから、量子ドットは「人工原子」とも呼ばれます。電子はスピンという微小な磁石を持っています。量子ドットを並べて、そのスピンを人工的に制御してやると、「量子コンピューター」を作ることができます。そのような未来の技術のための基礎研究を続けています。一方、人工原子は基礎物理学の発展にとっても重要です。金属中の磁性不純物が示す「近藤効果」という現象がありますが、人工原子を使った研究によって、そのより深い理解を目指しています。

研究キーワード

物性理論、メゾスコピック系、量子ドット、人工原子、量子コンピューター、近藤効果

学生へのメッセージ

ナノテクノロジー、量子コンピューターといった新しい技術には、量子力学などの物理学の基礎の理解が求められます。物理学科でじっくりとその基礎を身につけて、将来の科学技術を担っていって欲しいと思います。私の研究室では、その基礎知識を基に、最先端の問題にチャレンジする意欲のある学生を待っています。

教職員紹介に戻る