FACULTY教職員紹介
ここに皆さんの知らない物質があります。実験的な測定はできません。この物質の性質を知りたいときには、皆さんはどうしますか?分かっているのは、その物質を作っている原子の原子番号と大体の位置だけだとしましょう。量子力学を学んだことのある人なら、Schroedinger方程式を解けば良い、と答えるかも知れません。その通りです。コンピュータを駆使して、できるだけ真面目にSchroedinger(Dirac)方程式を解いて、原子、分子、固体等の性質を理解しようとするのが、第一原理計算という研究手法です。しかし、現在最高の計算機でも厳密と言って良い精度でSchroedinger方程式が解けるのは、非常に小さい分子(原子数で2、3個程度です。そのため色々な工夫(近似)をして大きな系を計算できるようにします。そのような工夫の一つが密度汎関数法です。私はこの方法を使って、半導体を初めとした様々な物質に関して、実験では知ることの難しい原子スケールの物質構造と性質について研究しています。
研究キーワード
第一原理計算、バンド計算、物性理論、半導体、格子欠陥
学生へのメッセージ
このような研究を行うのに、初めから計算機に長じている必要はありません。 研究しているうちに身に付きます。もちろん計算機が得意であればそれに越したことはありませんが。物理数学、量子力学、統計力学等の基礎科目は身に付けておいて下さい。
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